■企画概要
制作コードネーム:<トロイメライ〜その声を忘れないから> ジャンル:感情爆発ヒューマンドラマSF仕立て 掲載日程:2010年よりレギュラーシーズン公開開始!
■企画意図
相互理解―――人と人とが紡ぐ絆の在り方を問う物語に。 近年、心に抱えた陰の決壊とも言うべき不幸な事件が多発する背景には、 人間同士が結ぶ相互理解の欠落が少なからず影響しているものと思われます。 コミュニケーションの不足や先達の不在など環境によってその要因は様々ですが、 いずれにも共通して言えるのは、やはり前述した相互理解の欠落ではないでしょうか。 本作<トロイメライ>がメインストリームとするところは、 帰る場所を見失った難民とそれを受け入れる側との間で繰り広げられるヒューマニズムであり、 全編を通じて人と人とが解り合うことの意味、つまり相互理解の在り方を 問いかけていきたいと思います。 既存する異世界ファンタジーとは真逆のフォーマットを採ることで実現された、 「如何にして難民問題に希望をもたらすか」を模索する主人公たちの葛藤と行動が、 大きな感動と深いメッセージをお届けします!
■あらすじ
原因不明の環境汚染によって死滅への道を歩む世界『エンディニオン』。 自走機械の技術が存在しないにも関わらずアスファルトの道路が荒れた原野の上を走り、 神人(カミンチュ)と呼ばれる神霊の信仰が厚いにも関わらず、それを奉る寺社が残っていない、 何かがあって、それに対をなすモノが存在しないチグハグな世界―――『エンディニオン』。 現存する科学技術と釣り合わない水準の有害廃棄物が世界中の至る場所に 打ち捨てられており、その“世界に在らざるモノ”から凶悪な魔獣や環境破壊が発生していた。 廃棄物は、先文明の遺産なのか? それとも人為的な投棄なのか? ―――答えを明示できる者はいない。 そんな厳しい自然環境がヒトを強く進化させたのか。 いつしかヒトは、“希(ねが)い”を具現化し得るチカラを得た。 何も無い空間から様々な物質を作り出せる異能力を、ヒトは『トラウム』…“夢”と名付けた。 ………そして、物語の幕は開く。 戦う力ともなり得るトラウムを手に取った荒くれ者たちが群雄割拠し、 無法の限りを尽くす『エンディニオン』へ異世界より数多の難民が迷い込んできた。 原因不明の異常事態に『エンディニオン』各地で混乱が巻き起こり、 満足な解決策も見出せないまま難民は増加していく。 やがて惑星規模の危機にまでエスカレートした難民問題は、 受け入れる側と迷い込んだ側との間で武力衝突にまで発展。 両者の関係は考えられる最悪の事態へ陥ってしまう。 悲しき戦乱が鎮まる気配も無いまま、泥沼の様相を呈していく『エンディニオン』。 未曾有の混乱を極める大地に一人の青年軍師が台頭したとき、 戦いの時代は大きな転換を迎える。 終わりなき戦いの時代に大いなる波紋を落とす軍師の名を、 アルフレッド・S・ライアンと云った。 * 前作【フェイク・オア・フェイド】のスタッフへフレッシュな戦力を加えてお届けする 新タイトル<トロイメライ>は、稀代の青年軍師を中心に、 難民という世界規模の問題を含んだ激動の時代へ見果てぬ『夢』を追い求めた群像を描く SFロマン軍記の決定版です。 謀略を練ること、絆を育むこと、未来に期して行動すること、そして、夢を往くこと………。 壮大なスケールで綴る<トロイメライ>の物語とは、 すなわち生きることを真に見つめる戦いの軌跡でもあるのです。
■主要スタッフ
企画と原作:天河無学 企画アドバイザー:さめじま クオリティマネージャー:激々極々 執筆:天河無学、激々極々、朔神栞(一部担当) イラストレーション:エビス丸、如月睦月、びるば清水 物語環境開発:朔神栞 メカニックデザイン:半券 モンスターデザイン:かにきめら 撮影:ももりん、チゲラ Webデザイン協力:エミージョU世 イメージソング:「キャサリン」S.M.Turkey / 歌・作曲:サカオ、作詞:ノレマ 制作総指揮:天河無学
■正式タイトル発表に寄せて…
骨肉相食む「戦い」のドラマ―――
・企画と原作/執筆、制作総指揮:天河無学 前作【フェイク・オア・フェイド】からおよそ二年。 これまで<フェイク2>と仮題してきたタイトルをようやく正式な名前で呼べる日が訪れました。 ドイツ語で夢や幻想を意味する<トロイメライ>。 これが我々のお送りする新しい作品の正式タイトルです。 小説、イラスト、設定資料………様々な角度からひとつの作品を完成させるという 【フェイク〜】スタイルで挑戦する新タイトルは、前作のような二次創作ではなく、 完全オリジナルストーリー。 僕が高校生の時分に考えたお話がベースになっている為、 今回は制作総指揮の他に原作という肩書きを頂戴しております。 <トロイメライ>の雛形を考えた当時の僕は、世の中の動きについて実に鈍感でした。 政治や経済に興味はあるけれど、専門的な資料を読むには勉強が足りず、 勉強しようにも何から手を付けて良いのか、まるで分からない状態で。 頭の鈍い僕の参考資料と言えば、もっぱら政治とその内幕を扱ったテレビドラマや戯曲。 難解な用語や社会の仕組みも無味乾燥な説明文の羅列でなく人間対人間のドラマとして見れば理解し易く、 結果、どんどん政治の世界へのめり込んでいったのです。 学んだのは政治だけではありません。 専門書に学ぶのは敷居が高くても、エンターテインメントの中へ織り込めば、 どんな難問も必ず心に響くということを教わりました。 今回の<トロイメライ>は、一人の青年軍師を主人公とした軍記ものであり、 同時に難民という複雑な問題へ主軸を置くポリティカルアクションでもあります。 当然、政治的・社会的なテーマがストーリー上で語られる機会は多くなりますし、 どうして難民が生まれてしまうのかという根源的な病巣についても深く掘り下げていきます。 難民の発生とそれに端を発する紛争や暴動に至る背景も、政局の混沌や経済の構図などを 交えて生々しく描き出します。 社会問題を扱う作品は、とかく複雑で難解で、とっつき難い印象を与えがちですが、安心してください。 <トロイメライ>は、あくまでもエンターテインメント作品に徹していきます。 笑いもあれば、涙もあり、天河作品お馴染みの合戦シーンもある。 登場キャラクターもストーリーも全てが人間臭い娯楽作品を僕らは作っています。 その上で社会的な課題である難民事情を正面から見つめ、 一種のヒューマンドラマとして完成させようと言うのが企画スタンスです。 かつての僕自身がそうやって学んだようにエンターテインメントの中へ 人間として考えねばならない問題を織り込み、皆さんの心に響かせたい、と。 また、タイトルにも冠している通り、この物語は見果てぬ<夢>を抱いて動乱の時代に 立ち向かう人々の、骨肉相食む「戦い」のドラマにもなっています。 <夢>をテーマの一つにしていながら、魔法ひとつで願いが叶うファンタジーとは 正反対のベクトルを取っているのも特徴。 「生きることは、夢を往くこと」。作品全体のキャッチコピーにも使用しているこのフレーズは、 まさしく<トロイメライ>で言うところの<夢>を象徴したものです。 <夢>とは漫然と貪るものじゃないんだ、と。カッコ悪いくらい懸命にもがいて、足掻いて、 泥まみれになって生きて、初めて叶えられるものなんだ、と。 政治不信やどん底の不況が続く今こそ、僕らは懸命に生きて、<夢>を見つめ続けなければならない。 どうしようもなく過酷な時代でも決して諦めず、そのうねりの中に希望を求め続ける人々の生き様は、 必ず現実世界に通じるのでは―――。 そこに思いが至ったとき、僕は<トロイメライ>を完成させることの本当の意義を見出しました。 完結のその瞬間(とき)、読んでくれた方の胸の奥に熱い何かを灯せることを願い、 スタッフ一同、<トロイメライ>という決戦場へ全身全霊で臨む所存です。 何卒、お付き合いの程をよろしくお願いいたします。「子供」で溢れた世界の病理―――
・クオリティマネージャー、執筆:激々極々 物書きとしては『戦国桃太郎』以来のことでありまして、求められるものの質が けた違いと言うべきか、何と言うべきか、とにかく自分には荷が重いところではありますが、 でき得る限りのことはしていこうと決意しました。はい、決意はしました。 今回のメインテーマは難民問題ということですが、現実社会でもこれは非常に深刻な 問題でありまして、こういったことを扱うのは私の力量的にも難しいことです。 そもそも何故難民問題が起こるのかといえば、それは難民を生じさせる争いがあるわけで、 じゃあ争いを無くすために人間を無くしちまえ、なんて無茶な結論で幕を下ろすわけには いかないのが悩ましいわけです。 自己と他者の間にある文化・思想などの違いが争いの元になるのだとしたら 全てのものが混ざり合って新たな一つのものを作り出すまで 待ち続けるしかないのかも知れません。 とは言うものの、そこまで時間が経過するまでにも人の争いは延々と続いているわけで、 気長に構えていられるわけでもないでしょう。 理想論の域に過ぎない話ではありますが、自分とは違う他人を認められることが 重要になってくるのではないかと思います。 相手と自分は異なる存在だけれども、逆からしてみれば自分もまた異なる者なのだと。 小さい頃に言われたような「相手の気持ちになって考える」とでも言いましょうか。 勿論、他者の存在を認めても、それだけで問題が解決できると簡単には言えないでしょう。 異なる者同士が共存していくには、お互いに譲歩しなければならないでしょう。 自己の都合だけを主張していては円滑な社会関係は成立しません。 時には我慢が必要だと言うことです。 自論として子供と大人の違いは、我慢ができるか、できないかの違いだという考えを持っています。 そういう考え方で言うと、世の中には「子供」が溢れていると言っても良いかも知れません。 かく言う私もそうでしょう。 「大人」が増えることができたなら、もう少し進展することでしょう。 長い前置きになりましたが、今回の物語を通じて、こういった問題に対して私なりの回答が 出来れば良いかな―――と思っています。 難民問題を主軸として、そこに生きる人たちが何を思い、どう行動していったのか、 そうした部分で理解をいただけたら幸いに存じます。妙な生き物『人間』の物語―――
・チーフデザイナー:エビス丸 本作<トロイメライ>の、チーフデザイナーをやらせていただいております、 ヘタレ絵描きのエビス丸と申します。 初めての方も、そうではない方も、どうぞよろしくお願いします。 私がこの企画に携わってより2年半の月日が経ち、 この度、とうとう正式タイトル発表の日を迎えることと相成りました。 いやはや、本当にめでたい! プランナーの天河さんをはじめとして、 この企画に携わる人たちが積み重ねてきたものを、 皆様にお見せできることを、スタッフとして本当にうれしく思います。 さて、それでは、私がこの<トロイメライ>について思うことなどを、 少々語らせていただきたいと思います。 「そもそもこの物語、どんな話なの?」と聞かれて一言で答えるとするなら、 自分にとってそれは 『人間(ヒト)の物語』 であると思っています。 <トロイメライ>の世界に住人たちは、 少し不思議なチカラを当たり前に持っている以外は、 私たちと何も変わりません。 そこにはただ、「人間(ヒト)」がいるだけ。 考えてみれば、人間って妙な生き物だと思うんです。 シンプルな答えを求めて、複雑極まりない思考や行動を繰り返す。 自分たちの理想を貫こうと、他者の理想を否定する。 争いのない世界がほしくて、争いを繰り返す。 愛されることを求めるあまり、ときに愛することを見失う。 他人に束縛されたくないのに、一人で生きていくことは出来ない…。 生物として見たら矛盾に満ちた存在ですが、 だからこそ、ひたむきに生きる姿が美しい、 そんな存在、それが「人間(ヒト)」。 誰一人、自分とすべて同じ性格や思考を持っている人間なんていません。 人間の数だけ人生があり、物語があります。 人間であるが故の喜び、哀しみ、怒り、強さと弱さ、愛と憎しみ。 いろいろなものが複雑に絡み合い、混ざり合って、つむぎだされる物語、 それが『トロイメライ』。 自分には、今この場で、その魅力のすべてを語ることは出来ません。 …と、自分から言えることは、これくらいでしょうか。 自分の本分は、絵筆でもって、この物語を彩る登場人物や世界を、 目に見える『かたち』に彫り起こすこと。 自分を支えてくれる他のデザイナースタッフたちとともに、 これからも頑張ってまいりますので、 どうかこの物語を、自分自身の目で、心で、 確かめていってください。
■世界観の背景…
1.舞台世界 物語の主な舞台は地球と極めて近い惑星環境や生態系を持った異世界『エンディニオン』です。 文明の水準は現実世界で例えるところの2000年〜2010年程度。 近代から近未来の文明レベルが基準です(もちろん細かい部分に差異はありますが)。 主な舞台世界を現代と大差のない文明レベルへ設定する事で読者と作品世界との感性・視点の距離を近付け、 これによって本編中に登場する難民問題ほか社会が抱えるテーマをよりストレートに伝えられると思います。 もう一つの舞台となるのが、同じ『エンディニオン』の名前を称しながらも文明や科学力の水準が格段に高く、 現代レベルでは完成不可能な機械が氾濫するSFタッチの世界。 この“もう一つの『エンディニオン』”から主人公たちの暮らす世界へ難民たちが漂着します。 が、正体不明の次元間移動によって転送されるのは人間だけではなく、“もう一つの『エンディニオン』”の建造物や地殻も 難民同様に主人公たちの暮らす世界へ漂着していきます。まるで元ある世界を塗り潰すかの様に。 異世界の侵食の原因究明の為、中盤以降、主人公たちは“もう一つの『エンディニオン』”へ直接乗り込みます。 また、便宜的に主人公たちの暮らす現代風の『エンディニオン』を『アルト(旧いエンディニオン)』、 難民たちが暮らしていた未来的な『エンディニオン』を『ノイ(新しいエンディニオン)』と呼称し、区別されます。 『アルト』と『ノイ』、二つの『エンディニオン』は、今でこそ次元を隔てていますが、元は一つの世界です。 しかし、十年前、規模が惑星全体に及ぶある実験が臨界事故を起こした事によって次元に断裂が発生し、 別々の時空へ切り離されてしまいました。 分裂の様相は極めて特異で、単純に大陸や地表が寸断されただけでなく、例えば『アルト』には道路があるのに 車といった自走機械が存在せず、『ノイ』には自動車等が存在してもそれを走らせる道路が無いという具合に、 “あちらにある物がこちらに無くて、こちらに無い物があちらにある”というチグハグな状態です。 自動車と道路は一例ですが、主に二組で一対になっている物が別々の世界に分かれてしまっています。 『アルト』と『ノイ』は、まさしく二つで一つの『エンディニオン』という現状です。 『ノイ』側から難民が迷い込むにつれて、『アルト』側の世界にも変化が現れ始めます。 それまでは記録にこそ残っているものの、存在すらしていなかった自走機械が『アルト』各所で発見されたりと、 欠けていた『ノイ』側のピースが徐々に組み合わさっていき、最終回には『アルト』と『ノイ』は完全に一つに合わさり、 あるべき姿の『エンディニオン』を取り戻します。 『ノイ』と『アルト』の融合は物語全体を通して描かれる肝の部分。 二つの世界が一つに戻った際に生じる利権争いや文明間のギャップ、そこから来る差別的な序列などの 異種族同士の争いを、同様の問題を取り上げた既存作よりもシビアに描いていきます。・朔神栞作成のイメージボードの一部 2.特別なチカラ【トラウム】 『アルト』へ住む人間のみに備わる異能として【トラウム】が挙げられます。 これは、何も無い空間から銃器や自転車と言った様々な物質、機材を作り出せるという能力で、 その人が深層心理で願う物を具現化すると言われています。 そうした背景から、【トラウム】は、物質具現化の能力およびそれによって生み出された物質の総称として 用いられています。 また、原則として一人につき一つの【トラウム】が備わり、一度作り出した物質が別の存在へ変化する類例は 今までに見当たらず、二つ以上の【トラウム】を手にした者も存在していません。 ただし、【トラウム】を形成できない不適合者は何人かケースが見られています。 【トラウム】を具現化できる様になるタイミングや時期は人によって異なりますので、 現時点で形成できなくても一概に不適合者とは断定できないのですが、この形容詞は、 主に侮辱や自嘲として用いられています。 また、十年前に【グラウンド=ゼロ】と呼ばれるクレーター地帯から正体不明の水晶体【星詠みの石】が出土したのと 人間に【トラウム】が宿った時期が極めて重なっている為、二つの関連性を研究し、 「どうして人間は【トラウム】を得たのか」という謎を解析しようと言う動きが見られています。 特に【星詠みの石】については、自分たちの仮説と“旧人類”の存在の信憑性を結びつける鍵になるとして、 特に考古学会が研究に力を注いでいます。 ・半券作成のコンセプトをデザインされたトラウムの一部 3.魔獣(クリッター) 『アルト』、『ノイ』どちらの世界にも人里離れた地域へ獰猛な魔獣が生息しています。 鋼の皮膚と動物性の筋肉組成に戦闘機械めいた異能を併せ持つ魔獣は人間や動物を襲撃し、 その血肉を喰らう事から人類の天敵と承認されており、殺獣手段の研究と開発が両世界で進められています。 厄介な存在である魔獣どもが、いつ、どこからやって来たのかを問う声は多く、その起源を探る学者も多いのですが、 誕生の真相や進化の過程を現代に知らせるべき化石等の資料が全く発見されず、 古い残骸が出土する様になったのもここ数世紀から。正体は今もって不明のままです。 どこからともなくやって来た魔獣どもは、実は宇宙から飛来した侵略者あるいは怪獣ではないか、と提唱する珍説が いつの間にか一般へ浸透し、“空より降りたる破壊の衝動”という意味を持つ『クリッター』と呼称される様になりました。 『アルト』では有機廃棄物を根城にする姿も目撃されており、やはり学者たちが旧人類証明の材料として注目しています。 ・かにきめらの手がけたモンスターデザインの一部
■その他の資料
プレストーリーである第0回「威風堂々」ほか、 制作発表に向けた仮説サイトをオープンしておりますので、 併せて御案内申し上げます。 ⇒プレストーリー 第0回「威風堂々」 ⇒<トロイメライ〜その声を忘れないから>仮説サイト
※群像劇であるストーリー同様に多士済々の個性が結び合わさり、 大きなうねりとなって壮大なスケールの作品に完成されていく過程を是非ともお楽しみに!
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