主要登場人物
アルフレッド・S・ライアン Alfred "Al" Strasberg Ryan
のどかな農山村でメカニック見習いとして働く青年。
数年前まで士官学校に通っていたが、卒業後は故郷に戻っていた。
戦略シミュレーションに関して非凡な才能を持ち、故郷の山村を襲ったある事件をきっかけに
軍師としての力量を開花させていく。
優れた軍略と卓越した政治力をもってして世界に名を轟かす天才軍師となるものの、
本人は弁護士になることを夢見ており、同じ知恵を使って働く仕事でも軍師と弁護士では
あまりにギャップが大きく、自分の夢と周囲が望む現実との落差に心を揺らす。
仕えた主を支えるべく軍師としての戦いや試練に立ち向かっていくが、
次第にその心へ鬼が宿り始め………。
所有トラウム:グラウエンヘルツ(黒衣の魔人へと変身する)
クラス:マーシャル・スペキュレイター
プランナーコメント:
前作の主人公が前線で活躍する戦士タイプだったので、今回は趣向を変えて、
知恵と戦略眼を最大の武器にする軍師を主人公としてみました。
政治的な駆け引きなど知恵比べが必要とされる場面にも有機的に絡ませられるかな、と。
キャラクターの性質云々よりもまず劇作上の構成や利便性を重視した設定です。
ただ、同じ軍師でも『三国志』で有名な諸葛孔明よろしく「全て私の掌の上で」みたいな超人ではなく、
武田信玄に仕えた山本勘助や『水滸伝』の呉用のようにどこか欠点のある人物にしたくて。
さめじま師匠やスタッフさんと相談する中で、色々な欠点を内包しながらもそれに対応し得る
強靱な人物像を模索していきました。
知恵を武器に戦うと言うことで、映画『ショーシャンクの空に』でティム・ロビンスが演じた
主人公、アンディー・デュフレーンのイメージが少し入っています。
その他、ブルース・リーファンの方ならニヤリとするアクションシーンをアルフレッドには用意しています。
どうやら小説、ラノベと言うよりも映画好き向けのキャラクターになりそうです(笑)。
フィーナ・ライアン Fiena "Fie" Ryan
アルフレッドの義理の妹で恋人。
村に一つしかないハイスクール(と言っても生徒数はごく僅かで廃校寸前)へ通いながら
アルフレッドの為に花嫁修業へ努める健気な少女。
世界中から暴力が無くなることを真剣に願う心優しい性格だが、
ある日、手にした“戦う力”の前に自分の考え方は偽善だったのかと深く思い悩む。
アルフレッドが軍師としての手腕を発揮することとなる事件をきっかけに故郷を離れ、
世界を旅する冒険者となる。
やがてその優しさが思わぬ運命へフィーナを導き、彼女の夢を叶える第一歩ともなるのだが、
実力を得るにつけ、徐々に為政者たちの権力闘争へと巻き込まれていく。
所有トラウム:SA2アンヘルチャント(リボルバー拳銃)
クラス:ガンアクトレス
プランナーコメント:
最大のコンセプトは、理想のヒロイン像を追求すること。まずこの課題ありきでした。
と言うのも僕の作るヒロインは、現実的だったり男前だったりと総じて夢が無いんですよ(汗)。
さめじま師匠にも同様のことを指摘されたこともあって、今回は夢いっぱいのヒロインにしよう、と。
僕としてはオーソドックスなセンを狙ったつもりなのですが、どこをどう間違えたのか、
今では主人公以上に主人公らしい、本作きってのヒーロー(※ヒロインでなく)に育っています。
「ああ、僕には夢いっぱいのヒロインなんか作れない」と自分に見切りをつけさせてくれた、
記念すべきヒロインです(笑)。
格闘スタイルにあたるガンアクションには、往年の西部劇ネタをふんだんに盛り込んでみました。
名画「OK牧場の決斗」や「シェーン」を楽しまれた方なら絶対にニヤリとするハズ!
明るい拳銃使いの少女と言う設定も、ちょっとだけアニー・オークレイのイメージが入っているし。
※こう言うことばかりにこだわっているから夢が無くなるんだと激極にも言われました。
シェイン・テッド・ダウィットジアク Shain Ted Dawidziak
アルフレッドやフィーナと同郷の少年で、二人にとっては可愛い弟分。
世界を股にかけて飛び回る冒険者に憧れ、
学校にも行かずに予行練習と称して山野を“冒険”する問題児。
アルフレッドやフィーナに付いて故郷を旅立ち、晴れて少年冒険者となるが、
向こう見ずな性格が災いして二人に迷惑をかけることも多い。
どんな苦難でも前向きに乗り越えられるポジティブな性格の持ち主で、
その底抜けの明るさはチームのムードを支える大事なファクターとなっていく。
アルフレッドたちと旅を続ける中で世界に隠された拭い難い暗部を知り、
やがて大きな決意を固める。
所有トラウム:精霊超熱ビルバンガーT(巨大人型ロボット)
クラス:デウス・エクス・マキナ
プランナーコメント:
アルフレッド・フィーナ・シェインのトリオを主演に据えることは最初から決まっていたのですが、
実はプロットを組み始めるまでシェインだけ方向性が定まっていなかったんですよ。
今回は経年によってキャラクターが変化していく様子を見せたいと思っていたので、
シェインが最終的に行き着く境地をカッチリと見つけないことにはエピソードも練りこめないぞ、と。
漠然とした不安を抱えながらプロットを練り込む内に、少しずつ坂本龍馬の生き様が
シェインに重なり始めまして。
権力に縛られないキャラと言う方向性へ行き着いたとき、ようやく僕はシェインと言う人物を
通して描くべきテーマを見つけました。
最終的に一番カッコ良い主人公になるんじゃないかと期待しています。
ちなみに彼が使うトラウム『ビルバンガー』は数年前にびるば清水さんと交わした雑談から
生まれたネタです。びるばさん、ご協力、ありがとうございます!
ムルグ Murg
ライアン家のペットで、フィーナのパートナー。
一見、丸々と太った鶏だが、実際には鳥型のクリッター(♀)である。
本来ならばクリッターは人間の天敵のハズなのだが、
傷付いていたところをライアン家に拾われ、フィーナの献身で回復した為、
彼女によく懐いている。
と言うよりも、フィーナを心の底から溺愛しており、彼女の恋人であるアルフレッドを
抹殺対象と見なしてことあるごとに攻撃を仕掛ける。
チームのマスコット兼最強の戦力。
所有トラウム:無し(クリッターにはトラウムは宿らない)
クラス:コッカトリス
プランナーコメント:
メインの主人公のうち、ここまで紹介したムルグまでが原作(※高校の時分に書いたシナリオ)に登場する
キャラクターなのですが、アルフレッドたちが新しいストーリーに合わせて
設定などが変化している中、ムルグだけは殆どそのままですね。
マスコットキャラらしくメインストリームに深く関わらないまま、好き放題動いて貰っています。
ただ、あまりに好き放題暴れ過ぎてライターの手に負えなくなることもしばしばで(笑)。
こう言う独立独歩のキャラは狙って書けるようなものではないので、とても貴重な財産です。
今後もおかしな制約をつけず本能の赴くままに動いて貰う予定。
なお、マスコットキャラが最強と言うのは前作から踏襲しているお約束です。
ホゥリー・ヴァランタイン Howly Vallantine
アルフレッドたちの暮らす山村にやって来た冒険者。用心棒として村民らに雇われる。
女神信仰と自然礼讃を教義とする古代民族『マコシカ』の一員で、
神人(カミンチュ)の神通力を借りて奇跡を起こす秘術『プロキシ』の使い手。
経験豊富な冒険者として本来なら誰からも頼りにされる存在のハズだが、
物欲や食欲に忠実過ぎる上に口を開けば皮肉しか吐かず、すぐにチームの輪を乱す為に
むしろ誰からも疎ましがられている。
ホゥリー本人も自分が期待されていないことを知っているのだが、改善しようとも思わず、
日々をダラダラと怠慢に生きている。
所有トラウム:クムランテキスト(プロキシの発動体の一種)
クラス:ロジックリード・ウィザード
プランナーコメント:
アメリカのシット・コム「スピン・シティ」でリチャード・カインドの演じる報道官のキャラクターが
本当に面白くて、こう言うキャラを作りたいと考えたのが初期衝動。
無能過ぎて誰にも期待されていない。けれど独特の愛嬌で愛されるデクノボウと言う設定は、
そのままでも充分に面白いのだけど、まるっきり同じ設定を使うのは単なるパクりだし、
下手な模倣にもしたくなかったので、思い切って設定のキモをひっくり返し、
「有能だけど性格が破綻していて、だからこそ誰にも期待も信頼もされていない」と言う
ある種、ヨゴレ役のようなキャラクターを捻り出しました。
そこからチーム内を引っ掻き回すトリックスターの側面が見えてきて、
今では登場する度に誰からも煙たがられると言う素敵に煩わしいキャラになっています。
登場する度、出オチ的に笑いを取るところは、同じくシット・コム「宇宙船レッドドワーフ号」で
クレイグ・チャールズが演じた三等技術士、デイブ・リスターのカラーが入っているかも知れません。
フツノミタマ Futsu No Mitama "Futsu"
アルフレッドたちの山村でトラブルを起こすゴミ処理業者が雇った用心棒の男。
村民とゴミ処理業者の諍いが発端となってアルフレッドに因縁を持ち、
何度となく彼の前に立ちはだかる。
口に咥えた鞘からドスを抜き放つ超速の居合抜きで鉄すらも易々と切り裂く剣の達人である。
反骨精神の塊のような男で、世の中のこと全てが不満であるかのように常に苛立っており、
目に入ったものへ全力で不満をぶちまけては周りの人間を怯えさせるが、
意外と面倒見が良く、自ら進んで年少者たちを守ろうとする一面も。
フツノミタマと言うのは通り名であって本名ではない。
所有トラウム:?
クラス:ソードアサシン
プランナーコメント:
とある映画の制作日誌を読んでいたとき、その映画に出演されていた名優・井上昭文さんのことが
とても面白く書いてあったんですよ。曰く、いつでも何かに対して怒りをぶちまけていて、
でもそれは不満から来ているのでなく、彼なりのコミュニケーション方法なのだ、と。
怒りで世間話をする人物。この衝撃的な人物像を参考にしない手は無いな、と。
井上昭文さんへのリスペクトがフツノミタマと言うキャラクターの根幹です。
十八番の居合抜きに関しては僕なりのこだわりがありまして。
オーソドックスな一撃必殺でなく居合抜き自体を機軸にして次の技、
また次の技へと繋いでいく連続技系の剣術をどうしてもやって見たかったんです。
居合使いの有名どころである座頭市との差別化ですね。
水无月 撫子(みなづき・なでしこ) Nadesico Minaduki
東西の大陸間の拠点となる小さな島『佐志』で暮らしている女性。
口内に大型・小型を問わずミサイルを精製する強力なトラウムを備えているのだが、
それを生かせるような定職にも就かず、自由きままなニート生活をしている。
働くどころか日によっては一歩も外出もせず自宅に篭り切ってモバイルで
遊んでばかりいる社会不適合者だが、あることをきっかけにアルフレッドたちのチームに参加。
基本的にコミュニケーションを放棄し、仲間たちの行動を諦観および静観しているのだが、
一応は会話を把握しているらしく、誰かが失言すると毒舌のツッコミを入れる。
所有トラウム:藪號The-X(ミサイル)
クラス:ジャガーノート
プランナーコメント:
忘れもしない激極がスタッフに参加することが決まってからの初めてのミーティングの席、
どんなキャラクターを出したいか尋ねた時にオウム返しで返ってきたのが「ニート出そう、ニート」の一言。
その時には別段深い理由もなく、半分、ネタキャラのつもりでニートに設定したのですが、
プロットを練り込む内に格差社会や経済不安、世界不況と言った要素が少しずつ強まってきて。
これを是非とも生かそうと激極と話し合って撫子がニートであることにきちんとした意味と重みを
持たせる選択をしました。
激極の一言で生まれ、彼と共に練り上げ、育てた感のある、思い入れの強いキャラクターの一人。
ちなみに「旧暦+その季節にちなんだキーワード」と言うネーミングの法則は、
ときめき麻雀パラダイスシリーズのそれに準拠しています。
なお、デザイナーには「(撫子を)可愛く描いたらNG」と言うとんでもない注文をつけています(笑)。
ジョゼフ・ルナゲイト Joseph Lunargate
世界最大の経済特区を支配し、同時に世界中のマスメディアを統括する名門、ルナゲイト家のご隠居。
現在のルナゲイト家の繁栄は彼が一代で築き上げたもので、
人々は尊敬と畏怖を込めて“新聞王”と呼んでいる。
アルフレッドにとっても大恩ある人物であり、かの天才軍師もジョゼフには頭が上がらない。
現在は孫娘に事業を委ねた楽隠居の身だが、引退するどころかフットワーク軽くあちこちを飛び回り、
ルナゲイト家の更なる繁栄を目論む。
口調や服装はエキセントリックだが、その裏には権謀術数に長けた策士の顔が隠されており、
目的を達成する為ならイリーガルな手段も平然と使いこなすかなりの狸親父。
所有トラウム:オールド・ブラック・ジョー(デコトラ)
クラス:ハーミット・ワン
プランナーコメント:
主人公にあたるキャラクターたちがある程度固まってきた頃、老人キャラがいないことに
気付きまして、全体のバランスを取る為にジョゼフと言う老獪な人物を入れてみました。
老人キャラと言うと、主人公を導く仙人のような人物像がステレオタイプなのでしょうが、
なにしろ僕は天邪鬼な性格(笑)。達観した仙人どころか歳を取っても足りることを知らない
相当な狸親父としてジョゼフのキャラを設定していきました。
底の知れない野心家、陰謀家の人物造詣は津川雅彦さんが大河ドラマ『葵〜徳川三代』で
練り上げた徳川家康を参考にしています。
札束攻勢まで仕掛けられる手練手管の老獪さは若者の主人公では絶対に描けない世界ですし、
アルフレッドたちが活躍する表舞台とはまた違う一面、ともすればストーリーの陰の部分を
象徴するキャラクターになると思います。
ルディア・エルシャイン Rydhyar Elshain
とある遺跡で永い永い眠りに就いていた謎の少女。
封印を解いて自分を深い眠りから醒ましたアルフレッドたちに随いていくが、
“ハカセ”なる人物に養育されたこと以外の記憶が薄く、また、封印されていた遺跡の外には
一歩も出たことがないと言う。
その為、言行の一つ一つがシェイン以上に子供っぽく、好奇心旺盛で感情表現も極端である。
ルディアとの出会いはアルフレッドたちの旅を新たな局面へと導き、
それは後に大きな意味を持って『エンディニオン』に広がっていく。
所有トラウム:クレイドル・オブ・フィルス(他のトラウムを強化させるケーブル)
クラス:セラフィナイト
プランナーコメント:
撫子が激極の一言から生まれたキャラだとすると、ルディアは朔神栞さんの協力があって
生み出せた奇跡のキャラです。
まずネーミングや衣装、人物設定を栞さんに起こして貰い、それを僕のほうで
更に練り上げて行きました。設定のアイディアに関しても女性ならではと言いますか、
やっぱり僕が書くヒロインと違って夢いっぱいで。脱帽いたしました、栞さん。
栞さんから頂戴した設定の段階ではメインストリームに関わる要素が薄かったので、
そこは僕のほうで色々と足させていただきました。
ちなみにルディアと言う名前、原作では最終ボスに相当するキャラに付けられていました。
スタッフさんには原作シナリオを渡していなかったので、これは完全な偶然の一致。
と言うわけで、ルディアにはストーリーのキーパーソンを担っていただく形になりました。
忙しい時間を縫って設定を考えてくださった栞さんへの僕なりのお礼です。
マリス・ヘイフリック Malice Hayflick
アルフレッドが士官学校時代に交際していた女性で、もう一人のヒロイン。
士官学校を去って以来、音信不通となっていたアルフレッドを健気にも探し続けていた。
太陽のように明るいフィーナと対照的に控えめで慎ましいが、
アルフレッドに対する依存は彼女以上に深く、再会後は片時も彼の傍を離れない。
そうした態度でフィーナをヤキモキさせるものの、マリス自身は彼女を友人として大切に扱い、
フィーナ自身もマリスを憎めない為、アルフレッドを巡る三角関係はより複雑なものとなっていく。
アルフレッドとフィーナが恋愛関係を結んでいるなど考えもしなかったが、
兄妹の仲と割り切るにはあまりに近過ぎる二人の距離に疑問を抱き始め、やがて―――。
所有トラウム:リインカネーション(肉体と生命に作用し、傷付いた肉体を一瞬で回復させる)
クラス:ヒーリングアルカナ
プランナーコメント:
ヒントやモチーフと言えるほど判然としたものではありませんが、
ジャンヌ・ダルクの「心の行方」やディル・アン・グレイの「304号室、白死の桜」などを
聴いている内に浮んできた世界観と僕が二十代前半まで抱いていた死生観を
融合させて出来上がったキャラ。
ヘイフリックと言うファミリーネームが表す通り、マリスと言うキャラを通して描くのは“生と死”になります。
また、僕の作品としては珍しく三角関係を描きますが、ロマンスの面をピックアップするのでなく
人間同士の葛藤を深く掘り下げる形にしようとは最初から決めていました。
主人公の周りを女の子で固めて、関係性を停滞させるようなことだけはしてはいけないな、と。
ときめきだったりセンチメンタルだったりな従来の書き方とは大きく異なる
トロイメライ版三角関係の結末は、激しい葛藤を経ておそらく終盤までもつれ込むでしょう。
一つだけ確かなのは、僕や激極には赤松健先生みたいなお話は絶対に書けないと言うこと(笑)。
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